次期社長の甘い求婚
けれど今日だけはいいよね。
恋人同士だと錯覚しようが、今の状況をとことん楽しもうが、どれだけ幸せ気分に浸ろうが。
きっと鈴木主任とこうしてふたりっきりで食事に来る機会なんて、もう二度とないと思うから。
「いやー、それにしても本当に小野寺さんは偉いと思うよ。どんなに嫌な仕事でも率先してやってくれるし、なにより仕事がデキる」
酔っているのか、トロンとした目でいつもより饒舌な鈴木主任に、クスクスと笑ってしまう。
「もー、鈴木主任ってば。そんなに褒めたってなにも出ませんよ?」
過剰評価してくれていると分かっているけど、好きな人に褒められるのはやっぱり嬉しい。
私もまた酔っているのか、返しも軽快となる。
「いやいや、本当だって。小野寺さんだって一緒に仕事しているんだもの、分かるでしょ? うちの女性社員さん達、あからさまに顔に出る人ばかりだし。もちろん頼んだ仕事はやってくれるけど、嫌々なのもろ分かりじゃない?」
鈴木主任が仕事の愚痴を話してくれたことが新鮮で、口を挟まず相槌を打つ。
「おまけに俺のこと絶対下に見ているし。……まぁ、実際問題名前ばかりの主任で、頼りない上司だけどさ」
やばい、こんなの本当に恋人同士みたいだ。
恋人同士だと錯覚しようが、今の状況をとことん楽しもうが、どれだけ幸せ気分に浸ろうが。
きっと鈴木主任とこうしてふたりっきりで食事に来る機会なんて、もう二度とないと思うから。
「いやー、それにしても本当に小野寺さんは偉いと思うよ。どんなに嫌な仕事でも率先してやってくれるし、なにより仕事がデキる」
酔っているのか、トロンとした目でいつもより饒舌な鈴木主任に、クスクスと笑ってしまう。
「もー、鈴木主任ってば。そんなに褒めたってなにも出ませんよ?」
過剰評価してくれていると分かっているけど、好きな人に褒められるのはやっぱり嬉しい。
私もまた酔っているのか、返しも軽快となる。
「いやいや、本当だって。小野寺さんだって一緒に仕事しているんだもの、分かるでしょ? うちの女性社員さん達、あからさまに顔に出る人ばかりだし。もちろん頼んだ仕事はやってくれるけど、嫌々なのもろ分かりじゃない?」
鈴木主任が仕事の愚痴を話してくれたことが新鮮で、口を挟まず相槌を打つ。
「おまけに俺のこと絶対下に見ているし。……まぁ、実際問題名前ばかりの主任で、頼りない上司だけどさ」
やばい、こんなの本当に恋人同士みたいだ。