幼なじみが父親宣言。
でも、野乃はどうなんだろう?

好かれているのは、分かる。

でも多分それは、『恋愛』じゃない。

それと、長年幼なじみをやって来たせいで、俺は尻込みしてしまっていた。

もしフラれて、気まずくなったらどうしょう。

そんな事になったら、もう幼なじみじゃいられなくなるんじゃないか。

そんな事ばっかり考えて、中々『告白』と言う踏ん切りが付かないでいる。

俺はそれを全部、吉野さんに打ち明けた。

「……ヘタレなんだよ、俺……」

ハハハ……と笑い、吉野さんが持って来てくれた肉にかぶり付いた。

「智史くん……よしっ!吉野さんに任せなさいっ!」

バシンッ!と思いっきり背中を叩かれて、食った肉がポンッと口から飛び出しそうになった。

「ちょ……何がっ!?」

ゲホゲホ、とむせる。
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