幼なじみが父親宣言。
「……なんでもない。好きにすれば……」

私は、フイッと智史から顔を背け、自分の部屋に戻ろうと階段を登る。

「あ、どこ行くんだよ?」

「着替えて来るの!」

「あ、ああ、そっか……」

バタバタと、部屋に入る。

本当は一緒に居れて嬉しいハズなのに、苦しい。

唇を噛み締め、涙を堪える。

「泣くなっ……」

頬を、パンッ!と両手で挟んで気合いを入れる。

私は、零れそうな涙を必死で飲み込んだ。
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