幼なじみが父親宣言。
「俺がちゃんと受け止めてやれなかったから、こんな……」

智史は全然悪くないのに。

むしろ転びそうになった私を助けてくれたんだから、私が「ありがとう」と言わなければならないのに、床に額を擦り付ける位、深く頭を下げている。

「ホント、ごめんっ!」

「さ…智史は悪くない!」

思いの外大きな声に、私も智史もびっくりした。

「あ…いや……じ、事故!事故だから!」

「で、でも……」

「ホント、ヘーキだから!この涙は……そう!ビックリしただけ!だから気にしないで!?」

ゴシゴシと涙を拭き、立ち上がる。
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