幼なじみが父親宣言。
『ま、いいわ。それより、さっき野乃にも言ったんだけど、玄関前にダンボールがあるでしょ?それを明日、14時位に野乃と一緒に会社に届けて欲しいの』

ダンボール?

ああ、さっき野乃がつまずいて尻餅を付いたあの……。

「お安いご用です!」

俺は、見えていないけど、敬礼のポーズを取る。

『ふふっ、頼んだわよ』

そう言った吉野さんの後ろの方で、「社長……」と言う声が微かに聞こえる。

『あ、はい。今行くわ……じゃあ智史くん、宜しくね』

プッ……ツー……ツー……ツー……

電話は切れた。
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