幼なじみが父親宣言。
5分程待っていると、向こうの方から大手町さんがこっちに歩いて来るのが見えた。

「野々さん、お待ちしておりました。智史さんも、お久し振りです」

大手町さんが、お辞儀をしてくれる。

「あ、ども……」

智史もそれに倣ってお辞儀をした。

「大手町さん、遅くなってごめんなさい。ちょっと用事を済ませてて……」

まさか、智史と遊んでた、とは言いにくくて、咄嗟にウソを付いた。

「構いませんよ。急いでいませんから。……とうぞ」

いつもは、「野々さん。時間は守らなければいけませんよ?」って言って来るのに、今日は何も言われない。

大手町さんの後に付いて行く。

大手町さん、やっぱりカッコいいなぁ。
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