幼なじみが父親宣言。
お母さんが『再婚する』って言い出した時、私が思い浮かべたのは大手町さんだった。

この会社は元々お父さんが経営していたんだ。

でも病気で死んじゃって、その後、お母さんが経営を引き継いだ。

大手町さんは、お父さんの代から秘書をしていて、今はお母さんを支えてくれている。

とても有能な秘書さん。

小さい頃から私もお世話になっていて、お兄ちゃんみたいな存在。

大手町さんがお父さんなら……。

「大歓迎なのに……」

「は?」

大手町さんが、キョトンとしている。

「あ、なんでもない!」

慌てて首を振った。

いけない、いけない。

言葉に出してた。
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