ある獣人少女のはなし
プロローグ
フェニアという国があった。
そこでは、他の国より獣人が冷遇され続けていた。
獣人は人より強く、そして丈夫だったために、奴隷にされていた。
王はその問題に目を背け、
ただでさえ高い獣人の税を人より丈夫だからという理由で高くした。
亡命しようとしても、兵が必ず待ち構えていて、惨殺される。
獣人はこの国に留まるしかないのだった。
そして、ある獣人は王のところへ行き、抗議した。
その時王は、
「うちの国で養ってやってるんだ。ありがたく思いなさい」
といって相手にもしなかった。
獣人は困り果てて、いっそのこと籠城してやろうかとまで考えていた。
そんな時にある出来事が起こった。