ある獣人少女のはなし
そして、男は地下室をつくり、たくさんの幼い獣人をつれこんだ。
そして言った。
「殺し合いをしろ。そして、生き残った一人は出してやろう」
その言葉を聞いて、獣人達は戸惑いの表情を浮かべた。
でも、そんな表情をしていられるのも今のうちだった。
数十日後、彼らは衰弱していた
食べるものがなくて飢えに飢えていたからだ。
彼らは殺し合いをしろと言われたのも忘れていた。
獣人の一人は隣にいた獣人をみて、
こんなに美味しそうな肉があるのになぜ食べないんだ?
と思ったと同時に噛みついていた。
他の獣人もそれに触発されたように、近くの肉を喰らい始めた。
その光景はまるで、理性を失った獣の
ようだった。