ある獣人少女のはなし
第一章
綺麗な薔薇には棘がある。
side ミシェル
私の名前はミシェル。
何処にでもいる猫の獣人である。
ここの国は10年前に起こったある出来事があってから、何故か獣人に寛容である。
その出来事というのを知りたくても、師匠は教えてくれなかった。
私にはまだ早い、だそうだ。
これでも15歳の大人なのにね!
師匠というのは私を拾ってくれた女の人のことだ。
腕がいい錬金術士で年齢不詳で、ミステリアスな美人である。
男がよって来そうで来ないのは永遠の謎だと思う。
多分、あの唯我独尊とした態度が、それを許さないのだろうと私はにらんでいる。
「ミシェルー?」
噂をすればなんとやらだ。
「はーい」
機嫌を損ねる前にいくとしますか。