紡 -ツムギ-
*第一章* 元凶ノ少女
私は、何故かずっと独りだった。
なんにも悪いことしてないのに、独りだった。
それでも、遠い昔に誰かに愛され、自分が望まれて生まれてきたのを覚えていた。
「・・・あぁ、可愛い子。あなたは本当にいい子ね。」
優しい微笑みと耳の奥に残る声。
「あははっ、よしよし。抱っこしてあげような。」
いつかの温もりと力強い腕の感触。
どうして、あんなことに・・・。
私はこの森から出たことがない。
この森の外側には何があるのだろう。
私が独りになってどれくらい経つだろう。
幸せだったんだ。あのときまで。
・・・そう、光の軍が来るまで。
ー15年前・光ノ世界
「・・・光神様!た、大変です!光神様!!」
光の使いは慌てた様子で告げた。
『・・・なんだ。騒がしい。』
光の神は不機嫌に顔を歪めた。
「・・・ひ、光の民と闇の民の間に子が生まれたとの知らせが!!」
光の神は微動だにしなかった。
ただ静かに遠くを見つめている。
張り詰めた沈黙がしばらく続いている。
やがて光神はゆっくりと呟いた。
『・・・そうか。これは良い機会だ。』
「・・・は、はい!?」
『・・・闇を滅ぼす良い口実ができたではないか。』
なんにも悪いことしてないのに、独りだった。
それでも、遠い昔に誰かに愛され、自分が望まれて生まれてきたのを覚えていた。
「・・・あぁ、可愛い子。あなたは本当にいい子ね。」
優しい微笑みと耳の奥に残る声。
「あははっ、よしよし。抱っこしてあげような。」
いつかの温もりと力強い腕の感触。
どうして、あんなことに・・・。
私はこの森から出たことがない。
この森の外側には何があるのだろう。
私が独りになってどれくらい経つだろう。
幸せだったんだ。あのときまで。
・・・そう、光の軍が来るまで。
ー15年前・光ノ世界
「・・・光神様!た、大変です!光神様!!」
光の使いは慌てた様子で告げた。
『・・・なんだ。騒がしい。』
光の神は不機嫌に顔を歪めた。
「・・・ひ、光の民と闇の民の間に子が生まれたとの知らせが!!」
光の神は微動だにしなかった。
ただ静かに遠くを見つめている。
張り詰めた沈黙がしばらく続いている。
やがて光神はゆっくりと呟いた。
『・・・そうか。これは良い機会だ。』
「・・・は、はい!?」
『・・・闇を滅ぼす良い口実ができたではないか。』