レーザービームの王子様
「いや。ファンとは違う」
「は?」
つい、怪訝な声が出てしまう。
男が笑みを見せたことで、隣りの総司が少しだけ警戒を解いたのがわかった。
カウンターにいるむっちゃんも、静かになりゆきを見守っている。
私たちの視線を受けながら、男は続けた。
「あんた、今度の日曜の夜ヒマか?」
「はあ? なにそれナンパ?」
「ふ。それも、ちょっと違うけど」
さっきよりも少しだけ楽しそうに笑って、男がジーンズのポケットから財布を取り出す。
中から一枚の細長い紙きれを抜いたかと思えば、スッと私の目の前にそれを差し出した。
「これ、やるよ」
上から目線で言われたのは腹が立つけど、とりあえず受け取って渡された紙を見てみる。
なんとそれは、プロ野球の試合のチケットだった。
日程は4日後の日曜日。東都ドームでのウィングス対タイタンズ戦。
「なんで、こんなの私に──」
「それ、エキサイティングシートのチケットだから。すっげー近くで、生の試合観れるよ」
「へ、」
たしかに、よくよく席情報を見てみればグラウンド内に設置されているエキサイティングシートになっている。選手たちと同じ目線にあるから、臨場感たっぷりに観戦できるところ。
たしかこの席、かなり倍率高いんじゃない?
「は?」
つい、怪訝な声が出てしまう。
男が笑みを見せたことで、隣りの総司が少しだけ警戒を解いたのがわかった。
カウンターにいるむっちゃんも、静かになりゆきを見守っている。
私たちの視線を受けながら、男は続けた。
「あんた、今度の日曜の夜ヒマか?」
「はあ? なにそれナンパ?」
「ふ。それも、ちょっと違うけど」
さっきよりも少しだけ楽しそうに笑って、男がジーンズのポケットから財布を取り出す。
中から一枚の細長い紙きれを抜いたかと思えば、スッと私の目の前にそれを差し出した。
「これ、やるよ」
上から目線で言われたのは腹が立つけど、とりあえず受け取って渡された紙を見てみる。
なんとそれは、プロ野球の試合のチケットだった。
日程は4日後の日曜日。東都ドームでのウィングス対タイタンズ戦。
「なんで、こんなの私に──」
「それ、エキサイティングシートのチケットだから。すっげー近くで、生の試合観れるよ」
「へ、」
たしかに、よくよく席情報を見てみればグラウンド内に設置されているエキサイティングシートになっている。選手たちと同じ目線にあるから、臨場感たっぷりに観戦できるところ。
たしかこの席、かなり倍率高いんじゃない?