レーザービームの王子様
「なんだよその反応は。すきな女にアレもコレもイロイロしたいと思うのは男として普通だろ」

「……??! ……!!?」

「あー、そうでしたね。おまえは恋愛偏差値最底辺の純度100パーセント生娘でしたね」



こんなお外で生娘とか言うなバカ!!とは思うのに、そう言った総司の意地悪スマイルが今まで通りだったから、思わず口をつぐんだ。

口元に笑みを浮かべたまま、『仕方ないな』といった具合に総司が息を吐く。



「まあ、今日はもういいよ。初っ端からあんまり攻めると、おまえショートしそうだし」

「は?!!」

「とりあえず、今後は少しずつ俺のことちゃんと男として意識してもらうから。そのつもりでいろよ」



言うが早いか、あっさり左手をとられた。

振りほどく間もなく総司が歩き出すから、私はどうすることもできずに自然と後を追う。



「……ッ、手……」

「久しぶりだなー。中学生以来? いや、もっと前か」



私の方は見ずに、前を向いたまま総司が話す。

どうにか解放してもらおうとその横顔を見上げた私は、けれどもすぐに諦めて肩の力を抜いた。



「……たぶん小6でしょ。下校途中にでかい犬と遭遇して、私がこわがったから手ぇ引っぱってくれたじゃん」

「あー、あったなそんなことも。本気でビビるおまえの顔は最高にブサイクだった」

「うっさい余計なお世話だわ」
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