レーザービームの王子様
手をつないで歩いてるっていうのは、イレギュラーだけど。

それでもいつものふたりの雰囲気に戻ったことに、私はこっそり安堵する。


……大事。総司は、大事なひと。

だけど恋じゃない。それはこの先も不変だと、自分でわかっている。

なのに今はっきりそれを総司へと伝えないのは──これまで積み上げてきたものを今度こそ壊してしまうことを恐れる、自分の心が弱いから。


……たぶん、いつまでも誤魔化しておけない。

それでも今は、答えを出したくない。


心の奥底にいた、こんなにも臆病で最低な私自身の存在に、ついさっき気付いた。



『昔からずっと、おまえのことがすきだったんだ！』



総司がそう言ってくれたとき。……私の脳裏に、久我さんの顔が浮かんだこと。

その意味もまだ、認めたくない。
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