レーザービームの王子様
絶対活躍するって約束した人、って。
それってまさか、……私のこと?
例のごとく、松永さんも「なになに?! 恋人かしら!?」とすごい食いつきよう。
ドーム内のざわめきはお立ち台の久我選手にも聞こえているだろうに、本人はあくまで涼しい表情だ。
「その、活躍を約束した人というのは──ずばり女性、ですか?」
どこか興奮を抑えきれない様子で、アナウンサーが突っ込んだ質問をする。
ちょ……っ、ちょっとちょっとちょっと。タレントでもなしに、なんだこの状況は! ていうかヒロインで何言ってんだ久我 尚人!! いやそもそも私のことってまだ決まったわけじゃないけど!!!
次にどう話すのかと、手すりに置いた両手を混乱しながら握りしめる私の視線の先で。
ふと、お立ち台にいる久我 尚人が、こちらを流し見た気がした。
そんなわけ、ないのに。はっきりと目が合ったような錯覚がして、ドキンと胸が高鳴る。
そして彼は、意地悪そうにその口角を上げた。
「ははっ、……──いいえ、残念ですが。居酒屋で知り合った、酔っ払いのおっさんです。おっさん、観てる~?」
わざとらしいくらい明るく話し、テレビ中継用カメラに向かって両手を振る久我選手。
そんな彼の様子に、球場全体の緊張が一気に緩んだ気がした。
そして無意識に呼吸を止めてしまっていた私も、ひそかに大きく息を吐いていて。
それってまさか、……私のこと?
例のごとく、松永さんも「なになに?! 恋人かしら!?」とすごい食いつきよう。
ドーム内のざわめきはお立ち台の久我選手にも聞こえているだろうに、本人はあくまで涼しい表情だ。
「その、活躍を約束した人というのは──ずばり女性、ですか?」
どこか興奮を抑えきれない様子で、アナウンサーが突っ込んだ質問をする。
ちょ……っ、ちょっとちょっとちょっと。タレントでもなしに、なんだこの状況は! ていうかヒロインで何言ってんだ久我 尚人!! いやそもそも私のことってまだ決まったわけじゃないけど!!!
次にどう話すのかと、手すりに置いた両手を混乱しながら握りしめる私の視線の先で。
ふと、お立ち台にいる久我 尚人が、こちらを流し見た気がした。
そんなわけ、ないのに。はっきりと目が合ったような錯覚がして、ドキンと胸が高鳴る。
そして彼は、意地悪そうにその口角を上げた。
「ははっ、……──いいえ、残念ですが。居酒屋で知り合った、酔っ払いのおっさんです。おっさん、観てる~?」
わざとらしいくらい明るく話し、テレビ中継用カメラに向かって両手を振る久我選手。
そんな彼の様子に、球場全体の緊張が一気に緩んだ気がした。
そして無意識に呼吸を止めてしまっていた私も、ひそかに大きく息を吐いていて。