レーザービームの王子様
観客席を出て1階コンコースを通り、たどり着いたのは西ゲート付近にあるトレーニングルームだ。
私はいつも駅側の北ゲートから入場してるから、このあたりはあまり来たことがない。というか、試合がある日はこのへん一帯立ち入り禁止になってなかったっけ?
ワンコ系スタッフさん、もとい柴沼(しばぬま)さんはトレーニングルームに入るのかと思いきや、その隣りにあるドアをためらいなく押し開ける。
部屋に入る直前、【会議室】と書かれたドアプレートが視界に映った。
「すみません。では俺はその人のこと呼んで来ますので、ここで少々お待ちください」
「はぁい……」
「あ、待ってる間、テーブルの上にある袋の中身どうぞ召し上がってくださいね!」
ニコッと人懐っこい笑顔を残して、柴沼さんは部屋を後にした。
閉じたドアを見つめながらひとつため息を落とし、私はぐるりとまわりを見渡してみる。
どうやら会議室らしい、この部屋。学校の教室の2倍くらい広さがあって、私が入って来たドアは後方にある。
セミナーなどを開催する場所なのか、テーブルと椅子はすべて前方にあるホワイトボードに向けて設置されていた。
「……とりあえず、座ろ」
ひとりごとをつぶやき、手近なパイプ椅子に腰かける。
知らない場所にひとりで放り出されるのって、なんだかソワソワ。手持ち無沙汰に、先ほど柴沼さんが言っていたビニール袋の中を覗いてみた。
私はいつも駅側の北ゲートから入場してるから、このあたりはあまり来たことがない。というか、試合がある日はこのへん一帯立ち入り禁止になってなかったっけ?
ワンコ系スタッフさん、もとい柴沼(しばぬま)さんはトレーニングルームに入るのかと思いきや、その隣りにあるドアをためらいなく押し開ける。
部屋に入る直前、【会議室】と書かれたドアプレートが視界に映った。
「すみません。では俺はその人のこと呼んで来ますので、ここで少々お待ちください」
「はぁい……」
「あ、待ってる間、テーブルの上にある袋の中身どうぞ召し上がってくださいね!」
ニコッと人懐っこい笑顔を残して、柴沼さんは部屋を後にした。
閉じたドアを見つめながらひとつため息を落とし、私はぐるりとまわりを見渡してみる。
どうやら会議室らしい、この部屋。学校の教室の2倍くらい広さがあって、私が入って来たドアは後方にある。
セミナーなどを開催する場所なのか、テーブルと椅子はすべて前方にあるホワイトボードに向けて設置されていた。
「……とりあえず、座ろ」
ひとりごとをつぶやき、手近なパイプ椅子に腰かける。
知らない場所にひとりで放り出されるのって、なんだかソワソワ。手持ち無沙汰に、先ほど柴沼さんが言っていたビニール袋の中を覗いてみた。