私と彼をつなぐもの。
「あーまぁね。前の人は、手怪我したらいけない人だったから。」
そっか。まぁ、ピアニストだもんな。料理はあんまり作らなかったのかな。
「そっちは?」
「え?」
「なんで彼氏いないの?」
思わず飲んでいたお水を吹き出しそうになる。
「そ、そんなストレートにっ!!」
うつむきながら、ぽつりぽつりと話す。
「なんていうか、私自分に自信がないんです。いつも片想いのまま、逃げ出してしまう。でもそのくせ、相手がせっかく好意をもってくれても、やっぱり気持ちがついていかなくて逃げ出してしまう。………結局、逃げてばかりなんです。」
黒宮さん相手に何言ってるんだろ?私。
「ふーん。もったいないね。俺なら……」
『お待たせしましたー!!デミグラスソースのオムライスのお客様!?』
ちょうど料理が届いて黒宮さんの言葉の続きは聞けなかった。
すごく気になったけどもう一度聞く勇気はなかったし、黒宮さんもそれ以上その話題に触れてこなかったし。
でもお店を出たあとに黒宮さんがぼそっと私の耳元で言ってくれた言葉。
「七瀬のオムライスのが100倍旨かったな。」
その言葉だけで、私はまた頑張るんだ。黒宮さんのあの笑顔をもう一度見るために。また誉めてもらえるように。
私は自分に自信はないけど、私の作る料理だけは自信を持って黒宮さんに作るんだ。
そっか。まぁ、ピアニストだもんな。料理はあんまり作らなかったのかな。
「そっちは?」
「え?」
「なんで彼氏いないの?」
思わず飲んでいたお水を吹き出しそうになる。
「そ、そんなストレートにっ!!」
うつむきながら、ぽつりぽつりと話す。
「なんていうか、私自分に自信がないんです。いつも片想いのまま、逃げ出してしまう。でもそのくせ、相手がせっかく好意をもってくれても、やっぱり気持ちがついていかなくて逃げ出してしまう。………結局、逃げてばかりなんです。」
黒宮さん相手に何言ってるんだろ?私。
「ふーん。もったいないね。俺なら……」
『お待たせしましたー!!デミグラスソースのオムライスのお客様!?』
ちょうど料理が届いて黒宮さんの言葉の続きは聞けなかった。
すごく気になったけどもう一度聞く勇気はなかったし、黒宮さんもそれ以上その話題に触れてこなかったし。
でもお店を出たあとに黒宮さんがぼそっと私の耳元で言ってくれた言葉。
「七瀬のオムライスのが100倍旨かったな。」
その言葉だけで、私はまた頑張るんだ。黒宮さんのあの笑顔をもう一度見るために。また誉めてもらえるように。
私は自分に自信はないけど、私の作る料理だけは自信を持って黒宮さんに作るんだ。