私と彼をつなぐもの。
家政婦とライバル達。
黒宮さんとデートしてから２週間。
その間もちょこちょこ夕飯を用意している。
変わったのは、たまに綺麗になった黒宮さんの部屋で食事すること。
やっぱり、広いキッチンは料理がしやすい。

黒宮さんも、世界各国、日本中のお土産を買ってきてくれる。さすがに『国内のはいいですよ。』って言ったんだけど、『約束だし。』と、買ってきてくれる。



「へぇー。」


朝の会社のロッカーで制服に着替えながら恵梨香に黒宮さんとの事を報告する。


「なんで、ニヤニヤしてるのよ。」


「えーだってさぁ。黒宮さんって結構、肉食っていうかぁ。もっとクールな人だと思ってたからさ。そんなに積極的にアプローチする人なんだなぁって。」



恵梨香の言葉に一瞬、理解が遅れる。



「えっ！？えぇー！違うっ違うっ！そんなんじゃないって。勘違いだよ。自意識過剰だって。だって私が料理作ってるのだって………」


そう。私が料理を作っているのは、ウサギ屋が閉まっているからだ。おじいちゃんが退院してウサギ屋が再開したら私の役目は終わるんだ。


ズキン。


と痛む胸をギュゥッと押さえた。






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