私と彼をつなぐもの。
「なんだい?二人とも同じマンションに住んでんのかい?」


うさぎ屋のおばあちゃんがカウンターから出てきて、まぁまぁと私とごみ男の間に入る。


「………知らね。こんなストーカー女。」


「だぁーかーらっ!ストーカーじゃないって!アンタのゴミの出し方がなってないからっ!!」


「おいおい。店先でどうしたよ。二人とも落ち着けや。………ほらだし巻き焼けたぞ。食ってけ。」


店の奥からフワァーっと暖かい湯気と出来立てのいい匂いをまとっただし巻き玉子を持って、うさぎ屋のおじいちゃんも出てきた。



「食うっ!!」
「食べるっ!!」


不覚にもごみ男とハモってしまう。そして、一緒におじいちゃんに向かって手を差し出す。


「…………おい。じいさんは俺に言ったんだよ。あつかましい女だな。」


ごみ男は私を見下ろしキッと睨みながら言う。


「あんたこそ。図々しいわね。おじいちゃんは、私にっ!言ったのよ。」


負けじとごみ男を睨む私。


「二人にっ!言ったんだよ!ほらっ!黙って食えっ!」


おじいちゃんは店先にある、小さな机にドンッとだし巻き玉子を置くとまた店の奥へと下がっていった。


おばあちゃんは、クスクス笑いながらお茶を二ついれて、机にトンっと置いた。








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