伝言~最後のメッセージ~
「神崎……」
「瑠奈だよ、瑠奈」
ぼーっと悟は外を見ていた
それは電柱に止まる鳥か、流れる雲か
そんなもの分からない
ただ目を合わせてくれない彼に
切なさを感じていた
君の気持ちは、帰ってこない
多分、ずっと
そんな気がするんだ
「瑠奈で良いかな……、呼び方」
彼は変わってしまった
性格も、心さえも
耳に聞こえるか分からない
けど、心に聞こえるように
『いつまでも、私は愛しい、君を待ってる』