伝言~最後のメッセージ~






「大変だよね、ヘルパーも」

「大変?ああ、そうね」

「何だかそうでもなさそう?」




そう、望んだ事だから

愛してた人を守るって

影で見つめていこうって



「優しいんだね」

「優しくなんかないよ。むしろ、意地悪」

「意気地なしだしね」

「そうかな?」

「そうなの」



フッと笑った彼の顔は、

誰よりも綺麗に見えた

純粋な心を持った少年を見ているようで

少し心が澄んだ気がした



「ねえ、瑠奈」

「何?また頼み事?」

「うん、まぁ」

「ちょっと気になっててさ」

「何?」




タイマーが切れて扇風機が止まる

一気に室内が静かになって

彼の声が良く響いた



「この手紙の差出人を、調べてほしい」

「…………え?」



手渡されたのは、花柄の便箋

私が渡した、古い手紙だった……





< 48 / 74 >

この作品をシェア

pagetop