伝言~最後のメッセージ~
「大変だよね、ヘルパーも」
「大変?ああ、そうね」
「何だかそうでもなさそう?」
そう、望んだ事だから
愛してた人を守るって
影で見つめていこうって
「優しいんだね」
「優しくなんかないよ。むしろ、意地悪」
「意気地なしだしね」
「そうかな?」
「そうなの」
フッと笑った彼の顔は、
誰よりも綺麗に見えた
純粋な心を持った少年を見ているようで
少し心が澄んだ気がした
「ねえ、瑠奈」
「何?また頼み事?」
「うん、まぁ」
「ちょっと気になっててさ」
「何?」
タイマーが切れて扇風機が止まる
一気に室内が静かになって
彼の声が良く響いた
「この手紙の差出人を、調べてほしい」
「…………え?」
手渡されたのは、花柄の便箋
私が渡した、古い手紙だった……