伝言~最後のメッセージ~
「こういうのは、自分で調べるの」
「へ?」
「だって、貴方を待ってるんだもん」
「探されて嫌なはずがない」
「こんなに想ってくれてるじゃない」
「…………」
「ね、浅野君」
どうしても、言えないから
小さな足跡を君に残していく
君に近付いていけたら良いのに
君とまた歩ければ良いのに
そう心で唱えながら
「なんか、母さんみたいだな」
「お母さんの事は、覚えてるの?」
「うん、何となくね」
「…………優しかったって事は」
「そう、良いね、そういうの」
「そうかな?」
「そうだよ」
立ち上がって夕食の準備をする
一人分の食事
帰って食べる一人の食事
悲しい
寂しいよ?
でも、君は笑ってくれる
他人だって想ってるのに
君は優しい
悲しいけど
それで良いんだ