伝言~最後のメッセージ~
「どうして、怖いの?」
「何が?」
「聞き返す事、怖かったんでしょ?」
「…………多少はね」
ジョッキを傾けて渇いた喉に流し込む
もう泥酔だけど、
そういうのを隠して飲み続ける
何となく大人ぶって
まだガキだって言われてもしょうがない
真実だし
悲しい想いが悔しさで紛れる
それで良い
“ガタン!”
「やっぱりね」
「アンタ、お酒飲めないもん」
「ヤケ酒ぐらい、飲ませてよ」
「まだ、アンタは誕生日来てないでしょ」
「何ヶ月かの違いよ、直ぐ埋まる」
「あ、そう。知らないわよ、バレても」
「いいわよ、別に」
怖いのは、警察じゃない
何よりも、孤独な事
寂しいのは嫌
怖いのも嫌
だって、悲しくなるから
「孤独よりはマシよ、独房も怖いけど」
「分からない、アンタが」
「だからヤケ酒なの」
「そうね、そうかもね」
月が光ってる
お酒の所為か、暗がりの所為か
とても月は綺麗だった