伝言~最後のメッセージ~






「じゃあ、学校行ってくるね?」

「瑠奈は何処に行ってるの?」

「城樽大学だよ」

「ふ~ん、知らない」



貴方の学校だよ

直ぐに、分かるから

急がなくて良いから

平気、待ってられる



「有名じゃないからね~」

「はは、そっか」



今はただ、笑っていてね

だって、思い出してくれたら

結婚式の準備をまたするんだから

早く、早く

そんな事望んでない

だから、お婆ちゃんになってからでも良い

ずっとこのまま、二人で



「じゃあ、荷物とか持ってきて」

「え、良いの?」

「一緒に、俺が住みたい」

「……うん!」



そう言って一度だけ抱き締めてくれる

その優しさが好き

ドアノブを掴んで閉めるときに

少し覗き込む貴方が好き

大好き





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