淡いカルピス



「どうだ 小神、俺の輝きは」


「しょぼいです。」


事実だ、葵くんのあとのうっちーは霞んで見えた。、


「なんだ、珍しく飲みきってないじゃないか」


不思議そうにコップを除く。


「今日はいつもと味が違うんです。」


初めての味で 淡い味だ。


「それ、カルピス?色薄くない?」


うっちーの後ろから息を少し切らした葵くんが姿を現す。


初めて、自分に話しかけられた。


「う、うん。氷全部溶けちゃった。」


顔を直視できず、淡い色のカルピスを見つめる


「ふーん、飲まないの?」


「うん、ぬるくなっちゃったし」


「じゃあ喉乾いたから頂戴」


顔を見あげて「え」っという頃には 既にコップは葵くんの手の中にあって、それが彼の口に入っていった。


「ホントだ、ぬるいし薄くなってる。」


戸惑ってる私の隣に座る


「初めて、小神と話したかも。」


「えっ、えっ、」


「じゃあ、このカルピスの味は 初めての会話の味だ」


そう言って向けられた笑顔に、心を奪われないわけがなくこの味は "初めての会話の味"から"初恋の味"にしょうかくをしたのです。

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