遠距離なんて気にしないッ!!!!
「緋芽菜ー、この後どっか行こーよ!」

始業式のあと、帰り道沙愛に誘われた。
ん〜。家帰っても暇だし、
夏休み終わったあとから遊べなくなるし、
今の間に、だよね!

「うん!いいよ〜、どこいく?」

「おい。」

沙愛と2人で教室を出ようとすると、
春川くんに声をかけられる。

「なんですか?」

雰囲気が怖かったから、思わず敬語が出る。

「連絡先教えてくれない?」

それをちゃんと分かってくれたのか、
屈託ない笑顔を浮かべて優しく話してくれる。
言わなくてもちゃんと分かってくれるって
心地いい。

「あ……もちろん」

そうだよね、何かあったら困るもんね。

「おう、いつでも電話してこいよ、
助けて欲しい時とか、暇な時とか」

これは優しさだよね。
多分本当に掛けたら迷惑だ。

「うん、ありがとう」

でも一応お礼は言う。絶対掛けないけど。

「うん、じゃあな」

「ばいばいっ」

LINEを交換してまた帰路につく。
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