遠距離なんて気にしないッ!!!!
なにそれ。 頭が真っ白になる。

「ヤリモクでコクったのに
気付かなかったわけ?
鈍感にもほどがあるわ。」

ヤリモク・・・・・・・・・。
私は何も考えずいつの間にか離されていた手で思いっきり恭哉を叩き、家を出た。

でも私の目からは大粒の涙が溢れていて
到底家に帰れるような顔ではない。

仕方なく公園に腰を下ろし、
ただぼ────っと夜空を眺めていた。

母には恭哉が勝手にLINEを送っているので
心配はされない。
ただどこに泊まろうか……。
沙愛に電話しよう。

ぷるるるぷるるるるっ

「もしもし緋芽菜?」

沙愛のいつもの声に思わず涙が出る。

「沙愛……今から家行ってもいい?」

「は?緋芽菜なんで泣いてんの?
早くおいで!今日は泊まりな」
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