遠距離なんて気にしないッ!!!!

詩恩side.

朔来は、ただ静かに涙を流し、
話し続けた。

何故か俺はその元彼の恭弥という奴に
怒りを覚え、右手を強く握りしめた。

俺は、なんて声をかければ正解なんだろう。
どうすれば、泣き止んでくれるだろう。

俺は女に泣かせる趣味はない。
だが、出任せの言葉は掛けたくない。

「朔来……、泣いていいよ。
俺は、何もしないから。
ただ、朔来のそばにいるだけだから。」

朔来はその言葉を聞いて安堵したのか、
俺の胸の中でわんわんと泣き続け、
泣き疲れたのか、数十分後に眠りについた。
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