遠距離なんて気にしないッ!!!!
緋芽菜side.

いつの間に眠っていたんだろう。
屋上には私と春川くんしかいなかった。

私は今のこの体勢にひどく驚いた。

なんと、春川くんは私を膝枕しながら
フェンスにもたれて眠っている。

一体なんてことをしてしまったんだろう。
泣き疲れて眠るなんてありえない。

とにかく春川くんを起こそうと
声をかける。

「春川くん!春川くん!!!」

目を開けた春川くんは、私の目元を撫でて

「目、赤いな……うさぎみてぇ」

とはにかみながら言った。

私は瞬間的に危機感を感じ、
手を振り払って春川くんから離れた。

「あ、ごめん……話聞いた後なのに、
つい、無意識で……ごめんな」


春川くんは申し訳なさそうに
シュンと眉尻を下げて謝る。
それこそ耳の垂れ下がったうさぎのようだ。

「あ、ううん、大丈夫・・・。
それより今何時間目か分かる??」
「さっき6時間目が始まったばっかり」
「私、そんなに寝てたの?」
「あぁ、お前の気持ちよさそうな顔見てたら
俺も眠くなってきたんだよ。」

寝顔見られたのか……。

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