毒舌王子に誘惑されて
「なに、なに? 何よ、それ〜!?
ちょっと会わない間にそんな楽しい展開になってたの?? 三角関係ってやつ?」
いつ息継ぎしてるのか、心配になるくらいの早口で風子はまくしたてる。
グラスのワインはあっと言う間に残り僅かになっていた。
「あのねー、人の話ちゃんと聞いてた? どこも三角になってないから」
私は生ハムに手を伸ばしつつ、風子に抗議した。
今の話を三角関係と捉えるなんて、どんな思考回路をしてるんだか・・。
「え〜、三角関係じゃん。 その後輩君と美織と裕司君の三人で」
「・・・少なくとも、裕司はもう私のことなんて何とも思ってないよ」
「なるほど〜。じゃ、後輩君の方は美織
に気があるってことで間違いないのね」
風子はにんまりと笑って、ベテラン刑事のように誘導尋問を仕掛けようとする。
私は吹き出したそうになったビールを慌てて喉に流し込む。
「もうっ。 からかわないで真面目に相談に乗ってよー。 こんな話できるの風子しかいないんだからね」
「あははっ。ごめん、ごめん。ちゃんと聞きます。 まずは確認なんだけど、美織の言ってる後輩君て哲平くんでしょ?」
「テッペイ?」
テッペイという響きは全然ピンと来なかったし、風子が葉月君を知ってる筈がないと私は思い込んでいた。
「うん、葉月 哲平くん。 違う?」
「風子、知ってるの!?」
葉月君の下の名前が哲平ということなんて、私はすっかり忘れてた。 最初の自己紹介で聞いたきりだったし仕方ないと思う。
けど、違う部署の風子がフルネームを把握してるのはどういうことなんだろう。
もしかして、面識あったのかな。
だとすると風子に相談するのは少し恥ずかしい気がする。
ちょっと会わない間にそんな楽しい展開になってたの?? 三角関係ってやつ?」
いつ息継ぎしてるのか、心配になるくらいの早口で風子はまくしたてる。
グラスのワインはあっと言う間に残り僅かになっていた。
「あのねー、人の話ちゃんと聞いてた? どこも三角になってないから」
私は生ハムに手を伸ばしつつ、風子に抗議した。
今の話を三角関係と捉えるなんて、どんな思考回路をしてるんだか・・。
「え〜、三角関係じゃん。 その後輩君と美織と裕司君の三人で」
「・・・少なくとも、裕司はもう私のことなんて何とも思ってないよ」
「なるほど〜。じゃ、後輩君の方は美織
に気があるってことで間違いないのね」
風子はにんまりと笑って、ベテラン刑事のように誘導尋問を仕掛けようとする。
私は吹き出したそうになったビールを慌てて喉に流し込む。
「もうっ。 からかわないで真面目に相談に乗ってよー。 こんな話できるの風子しかいないんだからね」
「あははっ。ごめん、ごめん。ちゃんと聞きます。 まずは確認なんだけど、美織の言ってる後輩君て哲平くんでしょ?」
「テッペイ?」
テッペイという響きは全然ピンと来なかったし、風子が葉月君を知ってる筈がないと私は思い込んでいた。
「うん、葉月 哲平くん。 違う?」
「風子、知ってるの!?」
葉月君の下の名前が哲平ということなんて、私はすっかり忘れてた。 最初の自己紹介で聞いたきりだったし仕方ないと思う。
けど、違う部署の風子がフルネームを把握してるのはどういうことなんだろう。
もしかして、面識あったのかな。
だとすると風子に相談するのは少し恥ずかしい気がする。