吸血鬼に甘い鎖を
「さて、取り乱してすまなかったね。

息子のことになるとどうも…」



…え、息子?


「…え」


言いかけた私にクロト君が
確証を与えてくれる。



『ああ、咲。

こいつは俺の親父。


親父、こっちは俺の【契約者】の咲だ』


…え、えぇえぇーッッッ!!?!?




だ、誰かに似てるなぁとは
思ったけれど…。



でも、全然性格とか似てない…。



第一お父さんのほうがカッコいいじゃんっ。




呆然としながら見ていると
クロト君パパがあいさつした。



「はじめまして、咲殿。

私はレンディア。

本名は明かせないのでね…許してくれたまえ」



…あ。


「い、いえっ。

こちらこそ!!」



…なんか、すごく優しそうな人だ…。



本名は明かせないって言うのは、
やっぱり王様だからだよね…?




「…でも、どうしてあの人は
クロト君にめちゃくちゃ抱きついてたのかな」



それに対して返事をくれるリヴィア君。




「あいつはあんまり家が好きじゃなくてさ。

それどころか人間界に出て
いろんな女を探し見ることが好きだったんだ。


サキもたぶん…300人目くらいなんだろう?」



…うん、まぁ。



「そしてそれが徐々に自然になり
今10年ぶりくらいに帰ってきたってわけだ。

サキたちの世界で直すと…100年分くらいかな」
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