吸血鬼に甘い鎖を
「…そうなんだけど」


まぁ、いっか。



考えても仕方のないことは
仕方ないし。




とりあえず寝よう。




私はお風呂もそこそこに
さっさと布団へとはいる。




そばにクロト君がやってきて
そっと私の手を握った。




「…寝なくていいの?」



クロト君はまた笑った。




『ああ、大丈夫だ。


おまえは慣れないから疲れただろ。


寝ていい、そばにいてやる』




前に熱を出したときにも
そう言われたことを思い出し、




「もう…大丈夫だよっ。

小さい子じゃないんだしさ」




なんでそんな過保護なのかなぁ。




それに対して何も言わずに
クロト君は静かに私にキス。




一瞬触れた唇から、
寂しさを感じた。





…え?



それを聞こうとしたけれど、
なぜか私の頭はぼうっとして、



それからあっという間に
眠りに落ちた。
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