吸血鬼に甘い鎖を
―――――――――――


「すっごい早い馬だね、リリーナさん!」




「そりゃあそうですよ!

この馬たちは国一番の名馬!


【漆黒の風】と呼ばれるほど
早い馬なんですよ!!」



つやつやした黒いたてがみを
撫でながらつぶやく。




あのあと結局、
私たち二人は城に突入しようという
結論になって…



私は裏から行こうって言ったんだけど、
リリーナさんいわく、



『大丈夫!

私は王家の姫ですから
きっとみんな恐れて攻撃できませんよ』



…とか。





まぁそう言われればそうなんだけど…。





初めて乗る馬の感覚に
少しびっくりしながらいろいろ考える。




「咲さんっ、来ましたよっ」



「え。」



思わず丸がついてしまうほど
絶句したのは、
遠い視線の先に見えたモノ。







「…な、何あれぇーっっ!?!?」
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