吸血鬼に甘い鎖を
全身銀色の鎧、剣。



歩くのも大変そうな
その人を乗せた
馬もなかなかの悪顔。



精悍な顔つきをしていて、
きちんとした主に
育てられたんだなぁって思うんだけど
今の私にとっては悪者でしかない。




「やはり私たちは
反乱軍と思われていたようです。




陛下が気づいてるかは
わからないですけど、
騎士隊長の一存だけで
隊を組んだ可能性もありますね」




いろいろ考察してるリリーナさん。



でもそれって結局かなり
ヤバいってことではー!?!?




向こうも走ってるしこっちも
走ってるのでいよいよ
距離が迫ってきた。




「そなたたちは反乱軍の首謀者か!?

陛下の暗殺をもくろむ者たちか!?」




いや、もくろんでたら
こんな正面から突っ込んでこないと
思うんだけど…。





「おまえたちの目は節穴ですか!?

私を見て誰だか分らないと?」



そこはさすがリリーナさん。




王家の威厳を十分に
使って、にんまりと笑う。





「…もしや、リリーナ様!?」




騎士隊長らしいおじさんが
前へと進み出た。




リリーナさんは頷いて、





「ええ、そうです。


けれど…



私が言わなければ
わからないなんて
最近の軍事力も落ちたものですね。


陛下のことはお分かりになるのに
私のことがわからないのであれば
本当に王家を守ることができるんでしょうか?」


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