吸血鬼に甘い鎖を
「お熱いとこ悪いけれどね、お二人さん」


スッという音がつきそうな
光とともに現れたのは
クロト君のお父さん、レンディアさん。



「わわっ、レンディアさん!?」


あわててクロト君から離れる。


その様子にクロト君は
ちょっとむっつり。



「へ、陛下…」


騎士隊長が気まずそうに現れた。




「全く、早とちりとは
こういう時に使うのだろうね。


咲殿たちが反乱軍に見えるかね?


ましてやリリーナが反乱を起こすなど?


考えられないだろう」


クスクスと苦笑いしながら
レンディアさんはそう呟く。




騎士隊長さんが苦い顔をして
何度も何度も私たちに頭を下げた。



「申し訳ありませんッ!!

リリーナ様はあれほど
言っていたのに…!!!


私はそれを聞き入れもせず…!!!」



「ま、よしとしますわ。

クロト兄も咲さんのピンチに来てくれたし♪

おもしろいものを
見せてもらいました♪」


にっこり笑いながら
私に笑いかけたリリーナさん。




「そ、そんなぁっ…!

リリーナさんん…!!!」



『おっ、リリーナは応援してくれてんのか。

だったら何の問題もないな…』



そう言ってまた
私の肩に手を伸ばす。




「いやいやいや、大アリだからッ!!」
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