吸血鬼に甘い鎖を
そのあととりあえず
お城に戻った私たち。



戻るなりレンディアさんが
苦笑しながら言った。



「勘違いだったとはいえ
すまなかったね、二人とも」



「いえ。結果的に
大丈夫だったんで、
全然いいですよ」


全然は言い過ぎかも
しれないけど…



「ええ、私も。

騎士隊長自身にも、
悪気があったわけでは
ありませんものね」


私たちの言葉に、
レンディアさんは
ほっとした表情を浮かべた。



「それはよかった」



「それでは夕食でも
食べますか?

いい時間ですよね、陛下」


リリーナさんの
クリーム色の髪が
ふんわりとゆれる。



『よしっ、食って食って
食いまくるぞー!

行こうぜ、咲』



手を差し伸べるクロト君の
手を私はとった。




「…うん!!」
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