吸血鬼に甘い鎖を
その言葉に驚いたクロト君は
目を見開く。



「だってそうでしょ?


人間ってとこもそうだし、
クロト君吸血鬼だし。


なにより王子様なんだから。

二人にそっくりだよね」



クロト君も笑った。



『…ほんとだな。

じゃあ俺は親父と
同じ道をたどる運命にある
ってことか…』


そう納得したかと思ったら、
今度は急に私をソファに
押し倒し始める。



「…え、ちょっ…

クロト君!?!?」



クロト君はにんまり
笑って、



『運命をたどるって事は
花嫁になる覚悟が
できてきてるってことだよな?』




「い、いやそういうわけでは…」



ただ気づいただけっていうか…!!



いろいろ言ってる間にも
クロト君の顔はどんどん迫る。




『俺にはそうとしか聞こえなかった』



そう言って私の唇に重ねた。



「…んっ…」


口の中に熱いものが入ってくる。


…っ!?



息がつらくなってくるけど
そんなに嫌じゃない…。




私、変態になったのかな…?



…ていうかクロト君て、
こんなにキスうまかったっけ…?



いろいろ考えてると
クロト君の視線が首筋へと移る。



首筋をぺロッとなめて
噛み付きたいとでも
言いたそうに。



『…咲…』



と妙に
熱っぽく口にしたときだった。










ガチャンッ。




「お、お盛んだねー、二人とも」
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