吸血鬼に甘い鎖を
ティナさんはまた
強く唇を噛み私をにらむ。


「…いいえ、いいえクロ兄!

私には…わかりませんわ!


そんな女のどこがいいんですの!?」



「キャッ」


そう言って私をクロト君から
ひきはがす。


「…いったた…」



…背中打ったかな…。



なんかちょっと痛いような…。



「大丈夫か、サキ」



「う、うん。リヴィアくん」


リヴィア君は優しい笑みを
浮かべてから立ち上がって言った。



「…クロト、おまえがちゃんと
けじめつけろよ。


じゃないとティナも
サキも二人とも苦しむことになる」


クロト君の顔がむっつりになる。




『だから俺の気持ちは今
言ったはずだろ!?』



「それでも納得してないわけだろ。

このままだとサキまで
とばっちり喰らう」


俺はそんなことはごめんだね、


そう言ってリヴィア君は私を
抱き上げた!



「ちょ、ちょとリヴィア君!?」
< 150 / 168 >

この作品をシェア

pagetop