吸血鬼に甘い鎖を
「陛下とクロト兄は
何を話してるんでしょう?


親子同士の大事な話?

でもなにもこんな時にやらなくたって!」


咲さんと離れるかもしれない
この時に!


そう言って怒ってるリリーナさん。



私は苦笑して言った。



「クロト君が怒られることじゃないよ。

クロト君が悪いんじゃないんだもん。


これは…
私も向き合わなきゃいけない話」



…そうだ。


いつもクロト君に助けられて
ばかりじゃダメ。



それに、ティナさんもクロト君が
好きなんだから
私もその気持ちでは負けたくない。



私の真剣な雰囲気を読み取ったのか



「…咲さん…!!」



「でも勝てるかはわかんないんだけど」


軽く笑ってみせる。


でもリリーナさんはキリッとして



「いいえ!

こうなればティナには絶対勝ちましょう!


女のプライドを賭けて!!」



「うっ…うん…?」


プライド…?



「勝負といえば丁度いいものがあります。

2日後に
この国の建国祭が開かれるんです。


その時に行われる祭り事で
【真実の鏡】って言われる鏡を
のぞいてくるっていう儀式があるんです!」
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