吸血鬼に甘い鎖を
「【真実の鏡】…?」


「はい。

聞く人の心が美しければ
自分の聞きたいこと、
大切なことを聞くと
それに関わることを映し出してくれる」



「…それで、何を聞くんですか?」



「もちろん!

クロト兄にふさわしい人は
どちらなのか聞くんですよ!

【真実の鏡】の出した答えなら
誰も文句は言えません。

神器の一つといわれていますしね」



「…そうなんだ」


…よーし…!



じゃあとりあえずその【真実の鏡】に
聞いてみよう!



「では陛下に早速申告してみますね」


部屋を出て行こうとするリリーナさんに
私は一言言う。



「あっ、待ってリリーナさん!」



首をかしげる彼女に私は言った。



「…クロト君には、言わないで」



「なぜですか?

クロト兄にも協力してもらえば…」



「ダメだよ。

そうしたら絶対クロト君
私が勝つように仕向けちゃうもん。

私が自分の力でやらないと
意味がないんだから」


リリーナさんは納得して頷いた。



「わかりました。では伝えてきます」



…バタン。



「勝つ自信はあるのか?」



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