吸血鬼に甘い鎖を





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『・・・ったく・・。
親父も祭の挨拶なんかさせんなよな・・・』




せっかくクロトがいるのに、
私1人でやらなければならないなんて・・。



大げさなことを言いながら
泣きついてきたのを思い出す。



つーか俺は咲と回りたいっつったろーが!
あとで親父には落とし前つけてもらうしかねーな・・。




・・そういや、咲の姿が見えねぇ。



ここにいろと言ったわけではないが、
一応城にいてくれるものだと思っていた。



と、その瞬間途端嫌な顔をする。



『・・リヴィアと出かけたんだったな』



「咲様には、その間お兄様とデートしていただきますわ♪」



楽しそうにリリーナが言っていたのを思い出して
余計にムカっとする。




「・・おい、リリーナ!咲はどこだ!!!」



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