吸血鬼に甘い鎖を
「な、何してんのッ!

クロト君ッ!!」




ふるふると体を震わせて
ちょっぴり涙を浮かべてる
私に対し、




ベッドに座ったままの
クロト君はベッと
舌を出してイタズラそうに
笑った。






『何って、なんだよ。



婚約者としての、
朝のスキンシップだろうが』






「知らないよッ、そんなの!!



大体、いきなり血ィ吸わないで!」



昨日、結局あのあと寝てしまった
私。





でもとりあえず花嫁の話は
保留ってことになって、
目覚めてしまったクロト君は
私の家に居候することになった。







っていうか、もとはと言えば
ここはクロト君の家なんだけど。






『…しゃーねぇだろうが。



俺は血を吸ってかないと
生きてけねぇんだぜ?




しかも格別うまいのは
女の血だし、




しかもこれが結ばれる
運命のやつなら
最高にうまいわけだ』







「…血の味なんて
知りたくないよ」






私には、わかんないし。
< 26 / 168 >

この作品をシェア

pagetop