吸血鬼に甘い鎖を
「…ムカつく。ムカつくッ…!」



思い出しただけでも腹が立つッ!!






何、アレ!!





私にあんなことしといて
自分は他のエサ食べに来たって言うの!?





だったら婚約者なんて私じゃなくても
いーじゃんかッ!!!




バキッとシャーペンの芯が
折れて由美が声をかけてきた。






「…大丈夫、咲?


すっごい血相悪いけど…」





「…大丈夫。

これは体調悪いんじゃないから」




ムカついてるからこんなに
顔がおかしくなってんのッ!!!





「…由美、ごめん。


私授業サボるから
先生に適当に言って」


…もう、無理。

教室にいたくない。







「えぇッ!?

ちょっ、咲!?」




あわてる由美をそのままに
私はすたすたと
教室を後にした。
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