吸血鬼に甘い鎖を
「…おっきいね、手」


男の人の手だからかな。





『そりゃそうだろ。
俺のほうが何万年も何億年も
生きてんだから』




そうか…。




今まで何人もの人と
結婚してきたんだっけ。



じーっと見つめていると、
クロト君の目が笑った。



『ん?俺の過去、気になる?』 





「…そりゃちょっとは
気になるけどさ。


でも…」




言った瞬間、クロト君と目が合う。




赤い瞳がじっとこっちを
見ていてドキッと心臓が高鳴る。





「…!!」




『お、進歩だな。
咲が俺の顔見て照れるようになった』






フフン、と自慢げに笑う。




「そ、そんなことないもんっ」




『ほら、怒るなって。
熱上がるぞ』



…うぅー。ズルいなぁ。








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