吸血鬼に甘い鎖を
「…なんで…?」



思わず引き留めるように
握ってしまってた腕。



それに合わせて
出てくる言葉。




クロト君は
その両方に驚いて、私を見つめる。



『咲…?』



不安そうな私に、
心配そうな表情を浮かべる。





「…おかしいよ。
なんでクロト君が謝るの?


…リヴィア君が来たのだって、
クロト君のせいじゃないでしょ?」



クロト君は黙ったまま。



紅い瞳がにごる。




『…けど、俺…』



ピッ。


「…その先は言っちゃダメ」


言いかけたクロト君の口に、
人差し指を立てた。





「大丈夫!
だって私は、
クロト君の花嫁さんでしょ?」


…ま、まだ違うけど。



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これで笑ってくれるかな。




おそるおそるクロト君の
表情を見る。
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