吸血鬼に甘い鎖を
『変な意味でなくても、
おまえと咲が二人で話しているという
ことが、すでに危ないだろうが』



さすがにそれは否定しないのか、
柚王くんも黙ったまま笑った。




「うらやましいですね、七海さん。
こんなにも王子に好かれて」




『…なっ…!
それ以上言うとマジで殴るぞ!』




柚王くんは笑いながら
席に戻っていった。




「…」


…また、『王子』って…。




クロト君って、何者なの?



ひょっとしたらクロト君は
私が思ってるよりずっとずっと・・・。




じーっと見つめていると、
クロト君が見つめ返す。





『咲ッ!あいつの言うことを
まともに受けるんじゃねぇぞ!』




「…うん」



まさか…ね。
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