吸血鬼に甘い鎖を
目の前に見えるのは古い昔の北欧の城。



月がかかった夜空には満天の星。




そしてその城のそばには
たくさんの城下町…




私たちはそれら全てが見える
草原の丘に立っていた。




「え、え…!?!?!?」



な、何が起きたと!?



横でクロト君は懐かしそうに
景色を見つめる。




『…俺の、故郷だ』



…え?



『俺、おまえに話してなかったこと
あったの思い出したんだ。


最初に会ったとき、言うにいえなくてさ』



ドキンドキン…



だんだん心臓の音が高くなる。




クロト君が何を言おうとしてるのか
わかってきて、余計に緊張する。





『…俺、吸血鬼界の王子なんだ』







「……!!!!」



その瞬間、一気に涙があふれる。



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