吸血鬼に甘い鎖を
『…この気持ち、忘れたくないだろ』



いきなりぼそっとそうつぶやく。



私はわけがわからず、




「…はぃ?」


と言ってしまった。




それに対してクロト君は
苦笑して、



『だから、
おまえが告白してくれたこととか、
俺が喜んだこととか。


忘れないだろうけど、
それが一番身にしみてるのは
今この瞬間だろ?


それを忘れないうちに、
時間を大事にしたいって言ったんだよ』





…クロト君。





「…なんでそんなちっちゃな事で
喜べるの?」



大げさにしたりするの?




『…んー。

よくわかんねぇけど。

俺は、今までずっと
俺ばっかり咲のこと
好きなんだって思ってたからさ。



…だから、すっげぇ嬉しいんだ。


なんか、お互いの気持ちを
確認できたみたいでさ』
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