吸血鬼に甘い鎖を
「…ハァ、ハァッ。


どこ行ったんだろ…」



探しても探しても
見つからない…。




私がリヴィア君をかばったとか
思われちゃったかな…。





…ううん、だけど
信じてくれてる…きっとそうだよ。




一人考えて切らした息を
戻す。





「…でもどこにいるのかなぁ」





「手伝ってやろうか?」



グンッ。



さっと振り返ると
背後の空間から出てきたのは
リヴィア君。




「…演技はどうしたの」



さすがに大事な役の3人が
いなくなったら困るよね?



それに柚王くんは
みんなの歯止め役というか
まとめ役というか…。





いろいろ考えてると
リヴィア君の言葉が入ってくる。





「適当に言えばあっさり
OKくれたさ。

つーかおまえ、
まだ見つけれてないんだな」




「…別にいいじゃん。

私は私のペースで探してるのッ」




「そんなことしてたら、
クロトのやつすねて
ヴァンペトリーに帰っちまうぞ?」




「…ヴァン…なんだって?」



語尾がよく聞こえなかった…。





「【ヴァンペトリー】。

ヴァンパイアの国って意味だ。

いちいちそんなこと
言ってたら面倒だし、
ヴァンパイアの国ってなんか
変だろ?」










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