恋に目覚めたシンデレラ

葵が周りを見渡すと近くのテーブルにお客はいない。
ランチセットはさっき頼んだばかりでまだ来そうもない……言うなら今だ。


「……沙織ちゃんは……初めての時って……」


「えっ……」


こんな事を聞くのはやっぱりちょっと……もう少しやんわりと聞いた方がいいよね。


「……沙織ちゃんは初めて彼氏出来たのっていつ?」


「初めての彼氏ですか?高二です」


「そうなんだ」

高二か……やっぱり早いな。
私は晃さんとが初めてだなんて言ったら沙織ちゃんは驚くかな……。


「じゃあ、その彼氏と沙織ちゃんは」


「お待たせしました―――――ごゆっくりどうぞ」


いったん話しを止めた。
頼んだ物がテーブルに置かれ行ってしまうまでの間にやっぱり聞くのはやめようかと弱気になってしまう。


「ごめん、今日はやっぱりいいや」


「待って下さいね。今、頭の中を整理してるから」


「えっ……だから、もういいよ。他の話ししよう」


「……もしかして葵さん――――――」


やっと沙織にも解ったようだった。

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